小さくて、ティッシュ箱に入ってしまいそうなくらいだった君は、すぐに
兄弟になりました。
散歩の時間になると、自分でヒモをくわえて、思い切り尻尾を振りながら
走ってくる君の姿を思い出します。
春の日を浴びて金色に光る君の体。
座ってると人の膝にアゴを乗せて一休みする愛らしい癖。
寝ながら尻尾を振ってる時の嬉しそうな顔。
どんな夢を見てたのかな。
散歩で、君が引っ張るヒモで右手が持っていかれる感覚が、今でも鮮明に
残っでいます。
僕が大人になると、いつの間にか年老いた君は、僕の右手を引っ張る力は
無くなっていました。
それでも、散歩の度に嬉しそうなな君が、抱きしめたくなるくらい可愛く
て。。
昨日の朝、永い眠りについた君が残してくれたものは、君がいなくなった
事で、僕らの心にポッカリと開いた大きな穴を、埋めて余るくらい沢山
あって。でも、それを集めて心の穴に、はめ込むまでにはもう少し時間が
かかりそうです。
最後にもう一度だけ、抱きしめたかった。
そばにいて、君の旅立ちを見送りたかった。
50年後、60年後、いつになるかは分からないけど、もう一度君を抱
きしめる時は、胸を張って君に会えるように、こっちでしばらく頑張りま
す。
その時がきたら、またヒモをくわえて、思い切り尻尾を振りながら走って
くる君を、散歩に連れて行かせて下さい。
君がくれた全てに感謝の気持ちを込めて。
ありがとう。
一

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